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・・福祉ビジョン提言集1.2.3.4(福祉の青い鳥冊子より)・・

ビジョンで地域づくりを
あいさつ 
松本市長 有賀 正
松本市高齢者及び障害者に関する福祉ビジョン懇話会 会長(福祉ビジョン編集委員長) 丸地 信弘
福祉ビジョン懇話会委員

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1.積み残した課題

松本の福祉ビジョンづくりは、このダイジェスト版でひと区切りとなります。しかし、まだ議論していかなければならない課題も多く、また介護保険の施行など、社会や福祉をとりまく情勢の変化も予想されます。松本の福祉づくりの営みはまだまだ続きます。

(1)ビジョンの理念に基づいた新しいシステムづくり
これまで福祉は福祉サービスを行う「送り手」の視点で進められてきたのではないでしょうか。ビジョンでは、住民が福祉の「受けて」ではなく「主体」だという視点からとらえています。したがって新しい福祉のあり方をビジョンでは福祉文化づくりとして提案しています。しかし、福祉文化づくりを具体的な政策や実践にどのように反映させていくかについてはまだ議論が必要だと考えます。例えば、行政の福祉サービスが行政自信の経済性や効率だけを追求することなく、住民の受けるサービスの質を保障するような新しい政策づくりが求められています。また、それらを支える新しいシステム、例えばNPOやボランティアなどについての検討も必要です。

(2)ビジョンの実現を阻む「壁」の解消
ビジョンの理念を生かした福祉づくりに向けて、解決すべき現状の課題が多くあります。例えば、福祉と医療・保健のように、お互いの連携を阻む専門や分野、組織などの「壁」があります。福祉においても高齢者と障害者が別個に考えられていたり、子どもの福祉について不十分だったり、いわゆる「縦割り」がまだまだ多く見られます。ビジョンの理念を実現していくためにはこの「壁」を乗り越えていくことが課題となります。

(3)介護保険の導入に関わる課題
介護保険が平成12年4月から始まります。高齢者福祉の大きな政策の転換と言えます。ビジョンの中では介護保険そのものについてつっこんだ検討はされていません。特に介護保険の導入による短期的な影響については不十分といわざるをえません。しかし長期的に介護保険がめざす福祉のあり方についてはビジョンできちんと議論がなされています。今後、ビジョンでしめした中長期的枠組みの中で介護保険を検討していくことが必要だと考えます。

(4)地域づくりを中心においた保健・医療と福祉、生涯学習の連携
福祉を地域や生活全般の中で広くとらえていくためには、福祉という枠を取り払い、地域にかかわる専門領域との連携が必要となります。特に保健・医療と福祉の連携はもっとも重要な課題のひとつです。さらに公民館活動が盛んな松本の地域性を生かすためにも 生涯学習や学校教育と福祉との連携も大切です。地域づくりを中核にすえた保健・医療と福祉、生涯学習、学校教育のあり方を模索することが課題です。

2.ビジョンの新しい展開

ビジョンはつくっただけでは「絵に描いた餅」です。しかし、私たちがみんなで検討を積み重ねながら、具体的な実践に結び付けることができれば、ビジョンが松本の福祉の行方をしめす羅針盤となるのではないでしょうか。
ビジョンを将来にわたって生かすためには私たちは次のような取り組みが欠かせないと考えます。

(1)ともに生きる「地域」の再生
松本の福祉づくりは、誰もが幸せにいきいきと生きていくことができる地域を創ることです。かつてのように違いを認めず、個人を束縛する、しがらみの「地域」ではなく、人権と「個」の自立を大切にした地域づくりが求められています。「共生」を基盤にした地域の再生が、ビジョンのめざす目標だと考えます。

(2)ビジョンの見直しと政策への反映
ビジョンは、社会や福祉の変化にあわせて常に見直しを行うとともに、具体的な政策や施策に反映していく必要があります。その見直しは、地域の中での実践とそれを踏まえた学習の成果を積み重ねて、さらに発展させてくことが大切です。

(3)行政と住民、地域の協同の場づくり
ビジョンによって行政と住民が対等なパートナーとして信頼関係の上にお互いの違いを生かして政策づくりを行うシステムができました。このシステムを生かし、さらに発展させることが大切です。

(4)高齢者、障害者、子どもという「壁」を乗り越えた福祉づくり
ビジョンづくりの中では、同じ福祉でも高齢者と障害者は別個に取り組まれていることがわかりました。また少子化の中で子どもの問題も重要です。そこで、これらを全部含めて考える場が必要だと考えます。

3.「ビジョン21」を始めよう

これらの取り組みを進めるために私たちは「ビジョン21」を提言します。これは松本の中の中長期の福祉づくりを継続して考えていこうという活動です。行政、地域、住民が一緒に集まり、地域の福祉課題に取り組みながら、ビジョンの理念を実現し、松本を「福祉日本一」の街に、福祉文化のまちにしようというものです。具体的には、ビジョンづくりのような市民と行政が手を携えた懇話会をスタートさせていくことから始めたいと考えます。

(1)新しいスタイルの市民組織。
市民が主体となり、市民と行政が共同して地域づくりを進めるため、共に学び、研究し、実践する新しいスタイルの市民組織をつくることが必要です。

(2)ビジョンの共有化。
市民組織では、市民も市職員も、自らのビジョン創りに取り組み、討論を通してビジョンの共有化を図ります。

(3)市民が参加した政策、計画づくり。
市民組織は、地域づくりの観点から、具体的な保健、福祉施設の展開、市民と行政の役割等について市への提言を行います。
市は、市民組織の提言内容を、高齢者、障害者等の福祉計画及び実施計画に反映します。

(4)市民と行政の協同活動。
市民の組織では、議論や提言を行うだけでなく、自らのビジョンを具体化するために、地域や所属組織において協同した活動に取り組みます。


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私は、21世紀に向けて、福祉が最大の政治課題であると考え、先進地である北欧を約40日間視察しました。そこでは、ボランティアをはじめとする住民の活動が大変活発で、お互いを支え合うという営みがごく自然に行われていました。この姿に接したとき、これからの日本は、こうした住民による福祉づくりが大切であると実感しました。そして、市内20地区へ福祉拠点をつくることを公約として掲げ、「地区福祉ひろば」事業として具体化してきました。
「地区福祉ひろば」は、平成11年4月に20施設となりましたが、それぞれの地区では、市民の皆さんが主人公となって特色ある活動が進められており、これが核となって地域の福祉づくりが大きく広まりつつあります。
一方、障害者にやさしいまちづくりの一環として、福祉道路の整備を計画的に進めており、平成10年10月には身体障害者療護施設「ささらの里」を整備しました。また、平成11年度から、新たに障害者自立生活支援事業を開始します。この事業は、運営面で障害者の方に参加いただくことに特徴があります。
福祉は奥が深く、課題もたくさんありますが、福祉日本一をめざし、これからも「市民が主役」「市が支援」の立場から福祉のまちづくりを積極的に進めてまいりたいと思います。

松本市長 有賀 正

福祉ビジョン懇話会では、市民と市職員が一体となって自由で新しい発想を出し合い、松本市独自の今後の福祉構想と福祉システムを1年半かけて検討しました。
懇話会では、委員の実践や経験をベースとして、①市民が主体となった新しい福祉観の創造、②高齢者、障害者が住みなれた地域で心豊かに安心して暮らせる社会の実現、③公助・共助・自助が一体となった福祉システムの確立、④家庭、学校、地域での福祉教育の充実など、今後の福祉のあるべき姿について率直な討論を展開しました。
そして、平成10年3月に市長へ提言しましたが、その内容は「福祉は特別なものではない」という発想のもとで松本にふさわしい福祉活動を掲げたこと、また、福祉を軸とした地域づくりを進めて「福祉文化都市・松本」の創造をめざすこと、そのために市民と行政が協同して取り組んでいくことを掲げたことに特徴があります。
その後、福祉ビジョン編集委員会では、保健・医療・福祉の連携、行政・地域・市民の役割などについても討論を加え、公開講座「地域福祉のまちづくり」等で市民の皆さんの意見も取り入れ、この冊子を編集しました。介護保険制度の導入など、福祉をとりまく状況が大きく変わろうとしていますが、福祉のまちづくりの具体化に向けて、この冊子が有益に活用されることを願っています。
なお、編集中に橋本 智子、林 豊次郎の両委員が他界されました。心からご冥福をお祈りします。

松本市高齢者及び障害者に関する福祉ビジョン懇話会
会長(福祉ビジョン編集委員長) 丸地 信弘


■:会長 □:副会長 ◎:部会長 ○:副部会長 太文字:編集委員(所属団体、職業等は当時)

第1部会
乾 順子( 本郷地区福祉ひろばコーディネーター)
内川 正美(保健補導員連合会)
内田 信幸(松本西在宅介護支援センター)
太田 季以子(無職)
小山 好子(民生自動委員協議会)
鈴木 夏実(無職)
野口 典子(中部学院大学)
橋本 智子(高齢社会を良くする松本の会) 
◎長谷部 儀助(無職) 
○平出 慶子(管理栄養士) 
■丸地 信弘(信州大学医学部)
丸山 一男(無職)
三沢 健(松本市医師会)
中島 啓介(福祉計画課 課長補佐)
鳥羽 良武(社会福祉課 主査)
小松 清志(社会福祉協議会 課長)
飯沼 栄(高齢者福祉課 係長)
伊藤 一登(国保医療課 課長補佐)
矢島 真弓(市民健康課 係長)
板倉 章(社会教育課 主任)
永田 幸彦(観光温泉課 主任)

第2部会
植松 森樹(共立学舎)
金井 隆(聴力障害者協会)
唐沢 正明(パソコン通信研究会)
小林 まさ子(しいのみ会)
桜井 俊二(視覚障害者福祉協会)
清水 芳江(無職)
滝沢 英樹(障害児・者の願いを実現する会)
田中 一利(自営業)
手塚 誠一(老人身障コーナー相談員
◎手塚 博夫(長野県職業能力開発協会)
西堀 久實(手をつなぐ親の会)
○三輪 正人(身体障害者福祉協会)
村上 順子(無職)
伊藤 宏一(社会福祉課 主査)
深沢 亨(社会福祉協議会 係長)
山口 洋明(高齢者福祉課 主査)
中田 富夫(国保医療課 課長)
土屋 文子(市民健康課 係長)
勝野 高徳(年金課 主査)
藤原 久紀(労政課 課長補佐)
石川 善啓(社会教育課 主任)

第3部会
○飯野 文子(婦人の集い)
上原 千尋(たんぽぽネットワーク)
大澤 久信(岡田地区町会連合会)
勝山 宏一(鹿教湯病院)
◎北村 明也(中日文化センター)
小林 公子(無職)
白戸 洋(松商学園短期大学)
榛葉 久男(島内地区福祉ひろば事業推進協議会)
新保 賀朗(松本共立在宅介護支援センター)
手塚 きよ子(無職)
二村 和子(無職)
林 豊次郎(寿台民生児童委員協議会) 
□福嶋 昭子(蟻ヶ崎西町会・蟻の会)
河野 徹(文化課 課長補佐)
久保田 忠良(福祉計画課 主任)
伊藤 伸次(社会福祉課 主事)
山本 雄二(社会福祉協議会 事務局次長)
中村 尚文(高齢者福祉課 主任)
横山 哲子(市民健康課 係長)
西山 隆之(社会教育課 主事)
勝家 隆(本郷公民館 主任) 

(事務局:福祉計画課、社会福祉課、高齢者福祉課、市民健康課)

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