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・・福祉ビジョン提言集1.2.3.4福祉の青い鳥冊子より)・・
(↓の6項目の文字の上をそれぞれクリックして見てください)

私そしてあなたが主人公
福祉は特別なものではない
心のバリアフリー
やさしいまちをつくろう
福祉づくりは地域づくり
あしたへ積み重ねよう


私たちから始める松本の福祉

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福祉の青い鳥を求めて1

事例から
母: お隣の奥さんがね、
  おじいちゃんが退院するので施設(注1)にあずけたいと市役所に相談したそうよ。
  ところが、いっぱいで入れないんですって。
   
父: それは大変だな。
  だけど、税金払っているんだから
市で面倒みてくれるのが当たり前だろ。
   
母: 市の話では、施設が空くまでの間、
  しばらくは在宅で何とか対応してほしいんだって。
   
父: わが家にも年寄りがいるし、他人事ではないな。
  何か手だてを考えなければいけないということか。
   
母: それから、今夜、私は会合があるから出かけるわ。
  2丁目の角のひとり暮らしのおばあさんに
何かしてあげられないか近所の皆さんと相談するの。
   
父: それはいいことだけど、おせっかいにならないように。
  ボランティアもいいけど、家のこともたのむよ。
   
母: 私は、少しでもおばあさんの役に立てばと思っているの。
  同じ地域に住んでいるんだから支え合うことは大切よ。
あなたは、地域のことがわかっていないじゃないの。

背景・問題点

今までの福祉は、制度や枠の中で行政側から一方的に提供されるものと思われてきました。「保護、措置、対策」といった言葉がそれを表しています。また、市民の側にも、市に頼めば何とかしてくれるという依存の意識があったのではないでしょうか。
一方、ボランティアの育成や組織化が進められてきましたが、ボランティアは「困った人のためにやってあげるもの」ととられやすく、押しつけや動員されたりすることもあって「大変だ」と感じる人もいるようです。
しかし、高齢社会への対応、障害者の社会参加の推進など、福祉を取り巻く状況が大きく変わり、福祉に対する市民の要望も多様化してきています。また、行政の対応にも限界が出てきています。そして、これからの福祉を支えるボランティアやNPO(注2)のあり方について、もう一度考える必要があるのではないでしょうか。

私たちはこう考えます

福祉は他人事や特別なものではなく、私たちの日々の暮らしと深く結びついています。
人は誰でも年をとります。加齢に伴って体も不自由になります。ちょっと考えれば、高齢になることも、障害を持つことも、すべての人にとって「自分自身の問題」だと気づくはずです。
福祉の主体者は市民です。したがって、福祉づくりを進める上では、市民が納得し、市民が参加することが大切です。それには、市民の声が反映されること、制度や枠にしばられないこと、地域の実情に合った活動が行われることが大切です。
福祉ビジョン懇話会では、市民と職員が一緒になって福祉のあり方を話し合うという新しい取り組みが行われました。
また、地区福祉ひろばでは、市民と行政が一緒になって身近な地域の福祉づくりが実践されています。そして、この中では、地域の特色を生かした活動が進められています。
こうした取り組みを契機とし、これからは、市民と行政が協同して福祉づくりを進めていくことが必要です。
また、地域や社会の人間関係の中でボランティアが自然に育ち、市民による主体的な活動としてNPOが芽生えるような環境づくりが求められています。

私たちができること

●自分ができること
・市民が責任と自覚を持って福祉づくりに参画する。
・市職員が市民の立場で、地域活動に積極的に参加する。
・自分の責任、意思、アイディアでボランティア活動に取り組む。
●地域ができること
・福祉問題などで、市民と市職員が交流できる場をつくる。
・地区福祉ひろばなどを通じ、市民と行政が一緒になって活動する。
・福祉を中心に置いた町会運営、地域での声かけに取り組む。
・町会や公民館などの活動の中からボランティアが育つ地域をつくる。
●行政ができること
・福祉施策の立案段階から、市民が参加できる機会をつくる。
・施策の推進のため、市民と行政が協同して活動できる組織をつくる。
・地区福祉ひろばの機能の充実、地域活動の支援を行う。
・ボランティア、NPOとの連携、ネットワークづくりを進める。

(注1)施設/寝たきりや痴呆などの高齢者が入所して介護を受けながら日常生活を送る施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設など)
(注2)NPO/ボランティア等の市民が自由な社会貢献活動を行う「民間非営利組織」平成10年にはNPO活動促進のための法律「特定非営利活動促進法」が施行

福祉文化都市松本をめざして

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福祉の青い鳥を求めて2

事例から
娘: 学校の研修で特別養護老人ホームへ行ったとき、
  おばあさんが言っていたわ。
「職員の人もよくしてくれるから本当に感謝しているけど、家族があまり来ないし、
ご近所の人たちとも
話ができなくなって、内心は寂しい」って・・・。
   
母: きっと事情があって施設に入ったんでしょうね。
  環境がどんなによくても、  その人の心が満たされているかどうかはわからないものね。
   
祖母: 私も近所のお友だちとお茶を飲むとき、
  「住み慣れたところで暮らすのが一番ね」という話が多いわ。
そんなとき、私はいい家族や友だちに恵まれていて、ありがたいことだと思うの。
   
娘: それは、みんなが少しずつ努力しているからだと思うわ。
  福祉の授業でも、「これからは、器より中身が問われる」と先生も言っていたし。
   
母: 公民館のサークルで仲間の人たちと活動しているときは、とても充実していて楽しいの。
  福祉のことも同じように考えてできないかしら。
   
祖母: 私はむずかしいことはわからないけど、人づきあいを大事にしたいと思っているよ。

背景・問題点

福祉は今まで、「貧しい人を助ける」「欠けているものを与える」というイメージが強く、受け手の側の人々も「世間様の世話になっている」「恥ずかしいから知られたくない」という気持ちがあり、福祉は特別なものと思われてきたのではないでしょうか。
戦後の民主化の波は、人々の心に自由をもたらしました。生活水準も上がり、暮らしも豊かになりました。その半面で、人と人とのつながりが薄れ、問題に目を背けたり、誰かが何とかしてくれるだろうという風潮も生まれてきました。
便利さや経済が優先された時代は、福祉が家庭や施設の片隅に追いやられていました。しかし、最近になって、国も地方自治体も福祉問題を大事な政策として取り上げるようになりました。
道路や橋と違い、設備投資だけで福祉の目的は達成されません。人々の生活に直結する課題であるだけに、そこに住む人々がどれだけ関わりを持つかが重要なのではないでしょうか。

私たちはこう考えます

子どもやお年寄り、障害を持つ人たちなど、さまざまな人が暮らす家庭や社会で、誰もが幸せを実感するためには、ともに助け合い、協力し合うことが必要です。
私たちは、日々の暮らしのなかで「自分ができることを必要とする人に提供する」という援助を自然に行っています。こうした営みが福祉の原点であり、福祉は私たちの日常生活の中に溶け込んだごく当たり前なものです。
「福祉は特別なものではない」という価値観を持つことがこれからの福祉の出発点です。「かわいそう」から「権利」へ/「量の重視」から「質も重視」へ/「家族だけの負担」から「社会全体の負担」へ/「ひとごと」から「自分ごと」へ/「押しつけ」から「自己決定」へ/「特別扱い」から「当たり前のもの」へ。
同じ松本に住み、同じ時代を生きている。そのことを心に受けとめながら、市民みんなの暮らしの質を高めていくことが大切です。
松本には、宝がいくつもあります。福祉を中心に据えた活動をしている町会があり、楽しみながらボランティアをしているグループがあります。住み慣れた地域で支え合う住民の力があり、公民館活動の伝統と実績もあります。この宝を生かし、市民が主体となって福祉のまちを築いていくことが今求められています。

私たちができること

●自分ができること
・福祉を受け身にとらえず、自分の考えをきちんと持つ。
・自分の意思でできることから実行する。
・家族を大切にし、支えあう家庭をつくる。
●地域ができること
・地域の中のさまざまな活動を福祉と結びつけるようにする。
・地域の中で協力や分担できることを話し合う。
・決めつけや押しつけでなく、自然に参加できる活動を取り入れる。
●行政ができること
・ハード面(注1)の整備とともに、ソフト面(注2)の充実を図る。
・個人や地域の意見、要望を施策に取り入れるシステムをつくる。
・社会教育と福祉の交流を深め、それぞれの活動に反映する。

(注1)ハード面/特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどの整備、また、障害者が利用しやすいように施設や道路を改善することなど
(注2)ソフト面/ホームヘルプサービスや訪問看護などの福祉サービス、また、健康づくりや生きがい対策事業など

暮らしの中の人権、お互い尊重される地域

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福祉の青い鳥を求めて3

事例から
娘: 同級生の松本君が、交通事故で頭を強く打って1か月ほど意識がなくて、
  治っても言葉がうまくしゃべれないし車いすの生活になると聞いたよ。
   
母: 近頃、交通事故や、脳梗塞で言葉に障害を持つ人が増える傾向にあるそうよ。
  幼児の時の病気が原因で障害になってしまう人もいるしね。
   
娘: 彼はサッカー好きだったし、クラスの人気者だったから元気になるといいな。
  でも言葉がうまく言えないと勉強が大変でかわいそうよね。
   
母: かわいそうだと言う前に、
  松本君にクラスの仲間でどんな支援ができるかを考えるべきね。お友達でしょ。
   
娘: 今度みんなに、彼に対して何ができるかを提案してみるね。
  でも本当に他人ごととは思えないわ。
   
母: 事故障害を持った人ばかりじゃなく、知的障害や精神障害を持つ人、また、
  外国人に対して、差別的な扱いをする人権侵害があったり、
いじめによる自殺の報道も絶えないわね。
   
娘: みんなが相手の気持ちを理解しないといけないと思うの。
  そうすれば、もっと住みやすい世の中になるんじゃないかしら。

題点

今日の日本は、かつて経験したことのないほどのスピードで高齢化が進み、寝たきりや痴呆などの高齢者が増えていますこうした高齢者をはじめ、特に知的障害者や精神障害者などは、自分の意思表示が困難なためにさまざまな権利障害を受けやすく、表面に出ない問題も数多く発生しています。
この背景には、障害者や高齢者に対して無理解や無関心であったり、憐れみ、同情という考え方方があるのではないでしょうか。
「人権」を考えるとき、能力のある人たちだけが人として価値があるわけではありません。
高齢や障害によって社会的なハンディキャップを持つ人であっても、人としての価値は同じはずです。
障害者や高齢者に対して、「自分の姿」に置き換えて一人ひとりの心(意識)の問題としてとらえようと考える人が増えています。そして、お互いを尊重し人に優しい社会をつくることが「心の壁をなくす」バリアフリー(注1)といえるのではないでしょうか。

私たちはこう考えます

「心のバリアフリー」という意識改革は、高齢者や障害者という特定の人たちだけの問題ではありません。それは、誰にも共通する問題です。
私たちは、相手の人権を尊重し、お互いを理解し合い、安心して暮らせる社会を自らが参画してつくっていくことがバリアフリーの原点だと考えます。
地域で人権を尊重し合い、充実した暮らしができるためには、コミュニケーションが大切です。コミュニケーションは生きる上での権利です。言いかえれば、あなたは私、私はあなたという立場でつきあうとうことです。
「無関心・無理解でなく」→他人事ではなく自分の事に置きかえてみる。「やさしい心を育てる」→自分が大切、人も大切という心を養う。「思いやる気持ち」→困っている人を見たら手を貸す。「自立している実感」→悩みを打ち明けられる人がいる一緒に活動する仲間がある。
地域の中では、同じ空気を吸い、同じ時間と空間を共有しています。お互いが大事という価値観でお互いに思いやる心が大切です。それは、出会いの尊さであり、人と人の結びつきではないでしょうか。
その中から生まれる「人と人の連帯感」が地域づくり活動を活性化し、「やさしい福祉のまちづくり」につながると考えます。

私たちができること

●自分ができること
・自分がいざというときにしてほしいことを近所の人に知ってもらう。
・話し合える友だちを多くつくり交流する。
●地域ができること
・公民館・福祉ひろばなどで、高齢者や障害者との交流を推進する。
・高齢者や障害者の世帯との連絡体制づくりを進める。
●行政ができること
・高齢者や障害者へ情報を提供する。
・地域で交流会を開くなど条件整備をする。
・障害の種別に対応できる専門職の育成と派遣を推進する。

(注1)バリアフリー/バリアとは「障壁、障害」、フリーとは「取り扱う」を意味し、障害者や高齢者などの社会参加を困難にしている社会的、制度的、心理的なすべての障壁を取り払うこと

障害者も高齢者もみんなが住みやすく

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福祉の青い鳥を求めて4 

事例から
娘: お父さん、「松本ぼんぼん」で車いすの人が
  楽しそうに踊っていたよ。
   
父: 高齢者や障害者を持った人も、
  お祭りに参加しているのはすてきなことだね。
でも、車いすで参加するためには、
特別にトイレや駐車場の確保を考えておかないと
むずかしのが現実なんだ。
   
娘: お祭りのときだけでなく、いつでも気軽に車いすで買物や食事が
  楽しめるようにできたらいいね。
   
父: この間、駅にエレベーターができとのを知っているだろう。
  買物に行くと車椅子のマークの駐車場があったり、点字ブロックの歩道があったり、
少しずつよくなっていると思うよ。
   
娘: 生活環境の整備を進めるためにも、みんなの意識が大切ね。
  関心のない人は自分勝手に車を止めたり、歩道に乗り上げて駐車してしまいがちよね。
それに設備をつくるだけでなく、困っている人に気軽に声をかけることも大切ね。

背景・問題点

これまで「福祉の対象」とされてきた高齢者や障害者は「特別な人」と見られ、地域に中でいきいきと暮らしていくことがむずかし いのが現状です。
これからは、そこに住む誰もが大切にされ、誰にとっも暮らしやすい「地域づくり」という視点が「福祉づくり」に求められているのではないでしょうか。
私たちのまわりの環境には、障害を持つ人などが生活しにくいさまざまなバリア(障壁)が存在しています。たとえば、足が不自由な人にとっては階段や段差がバリアですし、目が不自由な人にとっては地図や案内板で自分の位置を確認することができないことがバリアです。こうしたバリアは、障害の種類によって異なりますが、それを一つひとつ解消していくことが求められています。

私たちはこう考えます

ノーマライゼーション(注1)やバリアフリーといった考え方が社会に浸透することに伴い、以前と比べ車いすで外出する人が増えてきています。そして、車いす対応の車両をはじめ、駐車場やトイレ、歩道の改良といった整備によってバリアをなくし、高齢者や障害者でも気軽に外出できる環境づくりが進められています。
こうした生活環境の整備は、引き続き進めていくことが必要ですが、歩道に自転車を放置したり、障害者用の駐車スペースに無断で駐車することがなくなるよう、市民の意識が高まることも必要です。バリアフリーは、とかく障害を持つ当事者の問題とされ、障害の種別によって、それぞれ個々に対応を考えざるを得ない状況にありました。
しかし、バリアフリーを実現させるためには、関係者だけが考えるのではなく、「誰もが住みやすい地域づくり」のために、みんなが自分の問題としてとらえ、実践していくことが大切だと考えます。

私たちができること

● 自分ができること
・街中で困っている人への積極的な声かけ、手助けを行う。
・近隣でコミュニケーションを図り、見守りや助け合いを推進する。
・障害を持っていても家に閉じこもらず、できるだけ外へ出る。
・仲間と一緒になって福祉ボランティア活動を推進する。
●地域ができること
・福祉の観点から町内公民館などを改修する。
・地域で障害を持つ人との交流を推進する。
・地域の中でバリアフリー化の点検と学習会を行う。
●行政ができること
・歩道の段差解消や点字ブロックの設置など、都市基盤を整備する。
・視覚、聴覚に障害を持つ人などへ情報を提供する。
・資格制度、入学制度、就職などにおけるバリアをなくす。

(注1)ノーマライゼーション/障害者や高齢者が社会の中で普通の生活が送れるような条件を整え、共に生活できる社会こそノーマル(正常)であるという考え方

地域の支え合いから始めよう

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福祉の青い鳥をもとめて5

事例から
祖父: 俺たちも65歳になって、「福祉をする側」から
  「福祉をしてもらう側」になったんだな。
   
祖母: あら、私たちはまだ元気でいるじゃない。
  年齢で「する側」と「される側」に分けるのって変じゃない。
   
祖父: 福祉は、弱い人や困っている人を助けるものだろ。
  今はどんどん高齢者が増えているんだから、
もっと福祉サービスを充実してもらいたいものだ。
   
祖母: 「する側、される側」でなく、「支えたり、支えられたり」じゃないかしら。
  でも福祉サービスを充実してもらいたいのは同感だわ。
私の友だちにこの年齢になっても、
介護で苦労している人がいるのよ。
   
祖父: そうだろう、行政がしっかりやらないからだめなんだ。
   
祖母: その点、昔はよかったよね。
  困ったことがあっても近所の助け合いがあったから、
安心して暮らしていくことができたんだわ。
   
祖父: 今だっていざというときに頼りになるのはご近所さんだろ。
  ゴミ出しや雪かきなんかは助け合わなくっちゃだめだ。
町会できちんと話し合ったほうがいいな。
俺だってまだ歳だなんていっていられないな。

背景・問題点

これからの福祉は、私たちの暮らしのすべてを含むものという考え方が少しずつ広まってきています。
もちろん、行政の行う福祉サービスの充実は大切です。松本市ではここ数年で福祉サービスがずいぶん向上してきましたしかし、行政のサービスには限界のあることも事実です。これからは地域での支え合いが大切です。それは、暮らしの質を高めていく自分たち自身の問題ではないでしょうか。
自分たちの住む地域をどんな地域にしていくか、地域のさまざまな人が集まって、それぞれの立場で意見交換する機会が持てないのが現状です。今の世の中は、当たり前のことを、当たり前に行うことが難しくなっています。

私たちはこう考えます

松本市は「福祉日本一」をめざしていますが、その評価はそこに暮らす住民が「この松本 に住んでよかった」「松本に暮らして安心だ」「いきいきと活動ができる」と実感することだと思います。それは、いくつもの要素が重なり合ってできあがるものです。これがあれば日本一、サービスのレベルが高いから日本一というものではなく、よりよく生きることの積み重ね、日々の努力が福祉日本一をつくり出していくのだと考えます。
自分たちの地域にとって何がいいことなのか、地域の住民が集まって話し合い、実践していく。ともに支え合う地域づくりをみんなで考えていく。こうした積み重ねが大切です。「福祉づくりは地域づくり」なのです。
市内の先進的な町会では、「福祉の町づくり宣言」を行い、町会を一つの大家族として考えた町づくりを進めています。地域の人々の心が一つになって、自ら地域づくりに参加したとき、地域の福祉づくりは確実に動き出します。

私たちができること

● 自分ができること
・地域に困っている人がいないかなどの意識を持つ。
・いろいろな地域の活動に参加し、地域での交流を促進する。
・福祉づくり学習会などに参加する。
●地域ができること
・地域での見守りや支え合いを実践する。
・町内公民館などでの話し合いを行う。地区の福祉を語る集いを開催する。
・地域での支え合いのシステムを構築する。
●行政のできること
・公民館や福祉ひろばで福祉づくりの学習会を開催する。
・地域の福祉づくりに対する相談と支援を行う。
・ 社会福祉協議会や福祉公社、在宅介護支援センターなどとの連携を深める。

子どもたちは地域で育つ

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福祉の青い鳥を求めて6

事例から
母: 隣のアパートに横浜から引っ越してきた、西村さん夫妻のこと知っている?
   
友人: 知っているわ、ご主人は毎日遅くまで仕事しているみたいだけど、
  奥さんは小さな子どもといつも二人きりで公園にいたの。
西村さんはお友だちもいないようだから、
この間、公民館の親子サークル(注1)があることを教えてあげたのよ。
そしたら、さっそく参加して、とても楽しかったって喜んでいたわ。
   
母: そういえば、きのう小学生の小林君たち五人が点字ブロックの上に
  自転車を置いていたから「そんなところに置いちゃだめじゃない。」って注意したのよ。
点字ブロックのことについて説明したんだけど、
中には点字ブロック(注2)のことを知らない子もいたわ。
   
友人: 小林君って4年生の背の高い子でしょ。
  私は毎月小学校の先生と一緒に子どもたちを、近くの特別養護老人ホームに連れていって
お年寄りと交流しているんだけど、小林君はそこで人気者よ。
ホームに行くことを楽しみにしているみたい。

背景・問題点

核家族化、少子化の進行で育児の孤立化が深刻です。話の出きる仲間もなく、一人で「子育てストレス」を抱えるお母さんがいませんか。
他人の子どもに対して叱ったり、ほめたりしていますか。道で子どもと行き会ったときにあいさつしていますか。どの子に対してもわが子のように接すること、昔は当たり前にできたことが、なぜ今できないのでしょうか。
現代は核家族の家庭が増え、高齢者や障害者と接する機会はほとんどありません。子どもは学校だけで福祉について学ぶことができるのでしょうか。子ども時代に地域の中で多くのことを体験することが大切ではないでしょうか。

私たちはこう考えます

家庭だけでなく、地域で子どもを育てるという意識が薄くなっているのではないのでしょうか。地域の中で子どもを育てるということは、地域に暮らすすべての大人の責任です。
福祉づくりの担い手やボランティアを育成するための「学習会」は大切ですが、本当は毎日の暮らしの中に学びの機会が自然にあることが重要です。福祉づくりの担い手やボランティアはつくり出すものではなく、支え合いの土壌の中から必要に応じて自然に生まれ育つのではないのでしょうか。
自分の住む地域での活動や交流に参加することは、よい学びの機会です。まだ多くの人は人まかせであり、自己中心的な生き方をしているのではないでしょうか。福祉の学びの原点は社会の中で人と人との関係を考え、他人を思いやる心です。個人的な資質の向上だけでなく、暮らしの質を高めるための地域づくりに積極的に関わっていくことが重要です。
福祉の学びは、自分が福祉づくりの主体になることへの学びなのです。

私たちができること

● 自分ができること
・地域の子育てに関心を持つ。
・地域の子どもに声をかける、場合によっては注意する。
・地域の人とあいさつし会話する。
● 地域ができること
・児童センターや福祉ひろばでの三世代交流を促進する。
・子育てサークルを支援する。
・地域で高齢者や障害を持つ人との交流を促進する。
・地域での福祉ボランティア体験の機会をつくる。
● 行政ができること
・公民館や福祉ひろばでの学習を支援する。
・子育て支援センターを充実する。
・学校や保育園、幼稚園などによる地域の子育て支援を行う。

(注1) 親子サークル/乳幼児とそのお母さんらが定期的に集まって、子育ての悩みを話し合ったりしながら交流を進める自主的なサークル
(注2) 点字ブロック/歩道や廊下に付設された凸凹のブロックで、視覚障害者が歩行する際の足元の指針となるもの

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