町会福祉とは

町会福祉ってなに?町会福祉の理念ってなに?

お互い顔見知りの「町会を基盤にした住民参加型福祉づくり活動」をいいます。高齢者クラブや町内公民館、その他ボランティアやサークルの活動もその中の一つです。町会組織がトップダウンで福祉づくりをするわけではなく、福祉を軸にした地域づくりを自分の住んでいる身近な地域でやっていこう、というものです。

これまでの福祉、これからの福祉

とかくこれまでの福祉は、いわゆる「一部の弱者」に対する行政からのサービスの提供に終始し、一部の専門家だけが関わる「特別なもの」でした。しかし、かつてないスピードで高齢化が進展していく中で、住民自身が暮らしの質を高めあって、ささえ合う地域社会を創り上げることが福祉である、という認識に変化してきました。厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会の福祉部会は、「市町村地域福祉計画策定指針の在り方について」の中で「これからは、個人の尊厳を重視し、対等平等の考え方に基づき、地域住民すべてにとっての社会福祉として、かつ、地域住民すべてで支える社会福祉に変わっていかなければならない。そのためには社会福祉に対しての地域住民の理解と協力、つまり地域住民の参加と行動が不可欠なのである。」としています。

松本では

松本市では、現在「出張ふれあい健康教室」等を各町会で行いながら、町会福祉推進のための入り口になる事業を提案しています。平成14年度「出張ふれあい健康教室」の開催状況は8月末現在263件、昨年度の同じ時期の174件に比べて100件近く増化しています。今後もこうした町会を単位とした出張教室はさらに需要が増えることが予想されています。

福祉ひろばでは

福祉ひろばは高齢者をはじめとする市民が住み慣れた地域において、共に支え合う地域社会の実現に向け、住民参加によって、健康、福祉、生きがいづくりを進めるための「共助のひろば」です。「ふれあい健康教室」や健康福祉づくり学習活動、各種相談、ボランティア支援などを行い、地域の福祉文化の創造に一定の成果をあげてきました。
こうした福祉ひろば活動に対して「地域に浸透しきれていない」「ひろばから遠い人たちが恩恵を受けられない、」「特定の人たちだけに利用が固定している」「元気の人たちだけがあつまるところだ」といった批判があります。
もともと「福祉ひろば」は、「そこで何するか」ではなく「そこからどう発信するか」または「地域全体の健康福祉レベルをいかにアップさせていくか」を考えていくための拠点としてつくられたものでした。最近の出張ふれあい健康教室の需要増は、「地域全体の健康福祉レベルをいかにアップさせていくか」を考えていく上で、福祉ひろばの地区拠点としての機能を再認識したものと捉えています。

町会では今・・・

現に「出張ふれあい健康教室」をベースに、町会独自の健康づくり、仲間づくり、閉じこもり防止の事業を行っているところがあります。
里山辺地区には、各町会に「福祉ひろば専門員」という役員がいます。福祉ひろば事業をみんなで考えよう、ということでできた役員です。もともと里山辺地区福祉ひろばは地区の中でも北東の隅に位置し、"そこに集まる"ということからするととても使いづらいものでした。そのため、里山辺地区では早くから各町会を対象とした「出張ふれあい健康教室」が盛んに行われてきました。ただ、全部で18町会の内、市が携われる教室は月4~5箇所と限定されているため、自分の町会に回ってくるのに3ヶ月は待たなければなりませんでした。こうした中、各町会の「福祉ひろば専門員」は、その3ヶ月間を何とか自分たちの手で埋めていこう、ということで、体操やレクリエーションの講習会を始めています。こうした動きを背景に、里山辺兎川寺町会では、町会独自のふれあい健康教室が始まりました。
「出張ふれあい健康教室」が定例の形で月1回ずつ定着している町会は、岡田松岡、山浦、など○○町会にのぼっています。市では、こうした動きを大事に育てながら、自立に向けてサポートしていきたいと考えています。

さて、他方で町会独自の動きとして、福祉ニーズを把握し、ちょっとした支え合いや見守り活動を行っているところもあります。

芳川野溝町会「福祉を支える会」平成10年発足
  ア 閉じこもり老人をつくらない、が目標
  イ 茶話会、健康体操、施設ボランティア、講演会、配食作り等
  ウ 参加者に横のつながり、リーダー的存在あり。笑いが大切。
   
庄内出川町会 「そばの会」 平成12年6月発足
  ア ふれあい健康づくり講座、ふれあい盆踊り、ふれあいバザー、ふれあいサロン、
ふれあい会食会、グランドゴルフ、自然に親しむ会、世代間交流会等
  イ 「出川史」編纂と、そのための学習会も開催
   
島立永田町会 「キャンドルの会」 平成8年発足
  ア 2月に手作りキャンドルを配布。そこから命名。配食サービスがきっかけ。
  イ 阪神大震災を教訓に、何かあったときに支える基盤作りを。
  ウ メンバー4人で、民生委員にも関わってもらう。
   
城北蟻ヶ崎東町会 「結いの会」 平成12年8月発足
  ア 高齢者等に対する有償の助け合い組織
  イ 草取り、庭木剪定、雪かき、害虫駆除、買物代行など内容が限定されている。
  ウ あらかじめ登録された協力員が、事務局経由で依頼を受けて訪問する。
2人が1単位で行う。現在、草むしりを頼まれている。あるときは数件、ないときはない。柿取りや餅つきなども頼まれる。
  エ 1回2時間500円
  オ 需要の掘り起こし、住民の理解が課題。
  カ てくてく蟻の会
   
庄内神田町会 ほたるの会
  ア 一人暮らし老人に対する雪かきを中心とした支えあい
活動が始まって2年、平成13年は9件、平成14年は10月現在で5件。
  イ 地域通貨の発行による支え合い"ほたる"
  ウ 町会長を支える雰囲気 昔の青年団的雰囲気?
   
島立荒井町会 あすなろ会
  月1回100円ずつ持ち寄ってお茶飲み会。体操をしたり趣味の会で干支作りをしたり。福祉ひろばへ、高齢者の話し相手に行くなどのボランティアも。
荒井公民館の文化祭でバザーをやって、活動資金を集める。
   
白板蟻ヶ崎西 あうんの会 蟻の会
  福祉の町づくり宣言
定例常会
あ・うんの会1周年記念イベント。支援者一同に。
子育て支援事業 
元気に歌って遊ぼう会
文化祭 ふれあい喫茶の出前喫茶
   
横田第7町会 七福の会
  「横田老後を支えあう会」…
 松本の「町会福祉」の原点、公的なサービスが調整されるまでの橋渡し。有償による支え合いの仕組みをつくる。  住民参加型福祉サービスのはしり。
昭和62年5月「横田老後を考える会」として発足、平成1年に「横田老後を支えあう会」に。
「横田老後を支えあう会」の活動と精神を引き継いで、町会内で支え合いの活動ができるだけの仕組みを整えてあ  る。ゴミ出し、庭の水遣り、買出し等できるところは隣組で。町会の中では4件ほどあった。安協の要請で、見通  しの悪いところを枝切り。
七福の会と町会青年部が一緒になって、12月と4月に高齢者の世帯のタイヤの交換。近々に介護保険の学習会を開催。
配食ボランティアは平成11年度から。
   
島立大庭 かぶらの会
  お年よりのお茶飲み会。気軽に出てこられる場づくり。だれでもが出てこられる雰囲気を大切に。
やりたいことをやりたいように、鮨を食べにいくとか、美術館を見に行く、お花見に行く、温泉に行く、健康教室をやる、等々の行事にも発展。

これからの町会福祉とパートナーシップ

このように各町会を単位に様々な動きが始まっています。その活動形態は多様で、ニーズも少しずつ違いを見せています。そこに住む人たちがニーズや資源を把握し、独自の活動を作り上げていけば、様々なやり方と様々な形が生まれてきます。
他方、町会には、無関心な人が多い、役員のなり手がない、暇な人に任せておけばいいという風潮がある、といった悩みがあり、町会運営が難しいところに来ているのも事実です。
こうした中で、市や福祉ひろばでは、こうした現状を踏まえた上で実質的な支援をして行きたいと考えています。とかく行政と住民とは上下関係で捉えられがちでしたが、対等な関係に立ち、自助・共助・公助の歯車をバランスよく回しながら、お互いの情報がスムーズに流れあう関係を目ざしていきたいものです。こうした新しいパートナーシップを築き上げていく上で、まず「福祉」を切り口にして地域づくりを進めていこう、と私たちは提案します。
 
「地域住民も「福祉は行政が行うもの」という意識を改め、行政も「福祉は行政処分で対処するもの」という意識を改めて、地域社会の全構成員(住民等)がパートナーシップの考えを持つことが重要である。パートナーシップは、民間相互のパートナーシップのみでなく、公私のパートナーシップとして行政及び地域社会の構成員が相互に理解し合い、相互の長所を活かし、「協働」することによって大きな創造力が生み出されてくるものである(パートナーシップ型住民参加)。」市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画策定指針の在り方について 平成14年1月28日 社会保障審議会福祉部会 より抜粋

町会の組織がいかに民主化されているか、いざという時動きやすい組織であるか。

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